シリカ粒子への分散剤(ポリマー)の吸着最適濃度を予測する

目的

シリカ粒子への分散剤(ポリマー)の吸着最適濃度を予測するために、パルスNMRにて分散剤を添加したシリカ粒子分散液とブランク液の核磁気緩和時間を測定し、比較・解析しました。また、超遠心機を用いて試料の前処理を行い、予測精度を向上させる方法を合わせて検討しました。

測定結果

通常の方法では飽和点が不明瞭であるが、超遠心機で前処理をすると予想される飽和点を導くことができる

ポイント

分散剤はシリカ粒子よりも粒子が小さく、粒子の沈降速度は粒子径に依存する為、超遠心機での遠心条件を調整することで、吸着していない分散剤を上澄み液に分散させたままシリカ粒子のみを沈降させることが可能です。 また遠心分離は試料の粘性の影響を受けにくいため、粘性が高い試料であっても分離が可能です。

パルスNMR粒子界面特性評価装置 Acorn Area

パルスNMRとは
パルス(ラジオ波)照射にて得られる信号から、核磁気緩和時間を測定します。一般に分子運動性の評価に使用します。

緩和時間とは
パルス照射により励起してから、元の安定状態に戻るまでの時間です。

Rsp値とは
ブランク液とサンプル液の緩和時間の変化割合の値です。
パルスNMR粒子界面特性評価装置Acorn Area画像