遠心法による劣化加速試験により貯蔵安定性を評価する

目的

塗料・化粧品・食品などのエマルジョン・サスペンション状の製品は貯蔵時の安定性を評価し、品質保証期限を予測する必要があります。 遠心法により分離を促進することで、物理的な劣化による分離状態を短時間で再現しました。

試験方法

エマルジョン・サスペンション状の製品を1年間静置した場合、その製品は地球の重力(1xg)を 1年間加えられたことになります。この1年間分の重力を積算すると、

1(年)×365(日)×24(時間)×1(xg)=1(時間)×8,760(xg)

つまり、年間に相当する重力の効果は、8,760xgの遠心力で1時間(52,560xgの遠心力で10分間)遠心分離することで得られます。そこで、赤色塗料を1年間静置したときの分離状態を、52,560xgで10分間遠心することで再現しました。

評価例

金属型SWCNT(BlueMetal INK)の光吸収ピークは700nm付近に見られます。半導体型SWCNT(RedSemicon INK)の光吸収ピークは1000nm付近に見られます。

ポイント

超遠心機は、高濃度で高粘度のスラリーやエマルジョンであっても、短時間で劣化状態を再現することが可能です。