カーボンブラック分散液の粒度分布をコントロールする

目的

ビーズミルをはじめとする機械粉砕機を用い、粒子径が数10nmのナノ粒子を製造できるようになってきていますが、製造過程で粒度分布をコントロールするのは困難です。
従来はフィルターを用いて不要なサイズの粒子を除き、必要なサイズの粒子を精製できていましたが、粒子の微小化に伴い困難になってきました。 そこで、超遠心機を用いてカーボンブラック分散液の粒度分布をコントロールする条件について検討しました。

分離結果

カーボンブラック分散液を次の遠心条件で処理し、上澄み液を回収しそこに含まれている粒子の粒度分布を測定しました。

条件1:35,000xg、30分間
条件2:50,000xg、30分間
遠心前と遠心後の分離イメージ図
粒子径分布測定結果の折れ線グラフ

ポイント

カーボンブラック分散液中の粗大粒子を沈殿にして取り除くことにより、上澄み液中のナノ粒子の粒度分布をコントロールすることが可能です。

動的光散乱式粒子径分布測定装置とは?

溶液中に分散するブラウン運度をしている粒子にレーザ光を照射し、粒子からの散乱光を検出します。
散乱光は粒子の大きさにより異なる揺らぎを持った信号として検出されます。この信号を光子相関法により解析し、粒径と分布を算出します。

ナノ粒子解析装置 nano Partica SZ-100
粒子径測定レンジ:0.3nm~8μm
(その他測定モード)
粒子径測定、ゼータ電子測定、分子量測定

遠心前と遠心後の分離イメージ図