himac APPLICATION

No.85 MARCH 1997

8ml用チューブでのプラスミドDNAの分離

機種:CS-GXシリーズ分離用小形超遠心機

S80AT3形アングルロータを用いた多段ステップモードによるプラスミドDNAの分離

これまでの小形超遠心機用ロータの最大容量は5ml×8本、合計40mlでした。しかし、このたび8ml×8本、合計約64mlのS80AT3形アングルロータが開発されました。ここでは、この大容量ロータを用いてプラスミドDNAの分離を多段ステップモードを用いて行い、遠心時間の短縮化を図りました。また、8mlのシールチューブが使用できるため、チューブ1本あたり大腸菌の培養液約200ml分に相当する試料を処理することができます。(大腸菌JM109からプラスミドpUC19DNAを分離する場合。なお、分離結果の写真は培養液量150ml分に相当する試料を分離したものです)

分離結果

  • ロータ:S80AT3形アングルロータ
    チューブ:8PAシールチューブ
    運転方法:多段ステップモード運転

分離条件

(1) 遠心分離条件

ロータ 回転速度 遠心時間 温度 加速モード 減速モード
S80AT3
アングルロータ
4段ステップモード運転 合計12時間 20ºC 9 7

(2) 使用チューブ: 8PAシールチューブ

(3) 試料調製法

プラスミドpUC19DNAなどのプラスミドDNAを含む大腸菌JM109を一夜振盪培養後、アルカリ-SDS法などにより得られたプラスミドDNAを含むTE溶液(10mM Tris-HCl, 1mM EDTA, pH8.0)を試料とします。

8PAシールチューブ1本あたり

  • 試料:5.6ml
  • 塩化セシウム:5.4g
  • 臭化エチジウム(10mg/ml):160μl

以上を混合しシールチューブに注入します。チューブが満たされない場合には、あらかじめ作成しておいた補充液(TE緩衝液1mlあたり塩化セシウム1gを溶解したもの)を加えチューブを満たします。その後、STF-1形チューブシーラにて溶着し密封します。