himac APPLICATION

No.76 MARCH 1997

アングルロータを用いた株化細胞由来RNAの分離

機種:himac 小形超遠心機CS150GX用S150ATアングルロータ

S150ATアングルロータにより株化細胞由来RNAを1.75時間で分離した例

株化細胞由来RNAの分離は、主なマニュアルではスイングロータにより一晩程度、超遠心を行う手法が一般的でした。*1)
それに対して、小形超遠心機とそのロータであるRP120ATアングルロータの応用により、RNA分離の遠心時間を2.5時間まで短縮できることを示してきました。*2)
そして、今回、新たに開発された最高150,000rpmまで回転できる小形超遠心機CS150GXにより、この遠心時間のさらなる迅速化を検討しました。その結果、遠心時間をこれまでの2.5時間から1.75時間まで迅速化することができました。
また、得られたRNAの電気泳動やRT-PCRの実験結果から、従来と同等の分離が可能なことが示されました。

1. 実験結果

2. 実験方法

(1) 遠心条件

ロータ 回転速度 遠心時間 温度 Accel. Decel.
S150AT
アングルロータ
150,000rpm 1.75時間 20ºC 5 7

(2) チューブ:2PAシールチューブ

(3) 実験方法

  1. Cell pellet(5~10×106 cells)
  2. 4M GTC 1~1.5ml, Vortex
  3. 5.3M CsCl sol※ 0.8ml上に重層
  4. 超遠心分離
  5. Bufferに溶かしエタノール沈殿
    • 5.7M CsClでは遠心中に結晶が析出し、RNAを分離できない場合があります。

(参考文献)

  1. Sambrook J., et al. : Molecular Cloning : Cold Spring Harbor Laboratory (1989).
  2. himac APPLICATION No. 40(1992).
  3. himac APPLICATION No. 79(1997).