himac APPLICATION
No.64 APRIL 1994
分離用小形超遠心機によるリポタンパク質の分離
機種:CS120FX形分離用小形超遠心機 / S120AT3アングルロータ
S120AT3アングルロータによりヒト血清からリポタンパク質を迅速に分離した例
1. 使用機種
遠心機:CS120FX形 himac 分離用小形超遠心機
ロータ:S120AT3アングルロータ
チューブ0.5PCチューブ
2. 分離結果
実験は、目視により観察できるよう試料にFAT RED 7Bを添加して行ないました*1)
(1) 試料1(LDL、HDLの沈降)
(2) 試料2(LDLの浮上)
3. 試料調製法
(1) 試料1(LDL、HDLの沈降)
血清100μlに、ρ=1.006(g/cm3)の密度液(0.15M NaCl,0.3mM
EDTA,pH7.4)100μlを加え、よく混合した後0.5PCチューブに移します。
(2) 試料2(LDLの浮上)
血清100μlに、ρ=1.12(g/cm3)の密度液(15%(w/w)Kbr)100μlを加え、平均密度を1.063(g/cm3)とし、よく混合した後0.5PCチューブに移します。
4. 解説
臨床検査を行なうことを目的とした血清(漿)リポタンパク質の分離には、微量の試料を多検体処理することが必要です。
この場合の例として、先にRP100AT3アングルロータ(アプリケーションNo.28)、およびRP100AT2アングルロータ(アプリケーションNo.29)を用いた例を紹介しました。ここでは、さらに高遠心力が得られるロータが開発されましたので、従来よりも短時間化された例を示しました。(従来(RP100AT2アングルロータ):2時間→新ロータ(S120AT3アングルロータ):1.5時間)
なお、試料量はチューブ1本あたり最大500μlまで処理できます。この場合の遠心時間は120,000rpmで3.5時間となります。
(参考文献)
- T.J.Bronzert and H.B.Brewer,Clin.Chem.,23,2089(1977).