himac APPLICATION
No.63 APRIL 1994
himac エルトリエータ細胞分離システムによるイネのプロトプラストの分離
機種:高速冷却遠心機用SRR6Y形/エルトリエータロータ
himac エルトリエータ細胞分離システムを用いてイネのプロトプラストを分離した例
目的
植物の品種改良には細胞融合や遺伝子導入等において、プロトプラストを利用することが一般的です。植物細胞を酵素処理することによりプロトプラストとしますが、全ての細胞がプロトプラスト化せず、細胞壁を持った未消化の細胞が存在します。またプロトプラスト化された細胞であってもサイズにバラツキが生じ、とりわけこのサイズとその後の培養活性との間に何らかの関連のあることが示唆されています。このためプロトプラストの精製と、サイズによる分離を行うためにエルトリエータロータによる実験を行いました。
実験方法
(1) 試料名:イネ(品種名:“朝の光”)
(2) 細胞数:3~4×107個
(3) 分離用バッファ:0.5M マンニトール, 0.01% CaCl2
(4) 分離条件
フラクション | 回転速度 (rpm) |
流量 (ml/min) |
分画時間 (min) |
分画量 (ml) |
---|---|---|---|---|
1 | 1,500 | 4 | 10 | 40 |
2 | 1,500 | 5 | 10 | 50 |
3 | 1,500 | 6 | 10 | 60 |
4 | 1,500 | 7 | 10 | 70 |
5 | 1,500 | 10 | 10 | 100 |
6 | 1,500 | 14 | 10 | 140 |
7 | 1,500 | 18 | 10 | 180 |
8 | 0 | 18 | 6 | 108 |
合計 | - | - | 76 | 748 |
分離結果
-
今回の実験から、植物プロトラストの精製とプロトラストのサイズによる分離は可能であることが確認されました。
この分離されたプロトラストを用いた培養活性の比較から、サイズとの関連について現在検討を進めています。
- 本アプリケーションは、(株)日立製作所 基礎研究所 204Gの御協力により作成致しました。